酒の「肴」

魚だけが肴なのでしょうか?

酒を飲むと気持ちが大きくなって、日頃のうっぷんを晴らしたくなります。
鬼部長やゴマスリ課長の下で働いている人間同士が集まれば、上司の悪口は恰好の酒の「肴」になることでしょう。

サカナといっても、ウオだけを指す言葉ではありません。ナ(菜)は食べ物になる魚菜類のことです。
つまりサカナは “酒菜” なのです。
転じて、酒の席におもしろみを添えるような 歌・踊り・話題 などにも使います。

とはいえ、いい年をした男たちが “部長のパカヤロー” などど 飲み屋でくだを巻いているのは、あまり恰好のいいものではありません。
“ああいうおじさんて最低ね”と若い女性の酒の「肴」にされるのがオチです。

宴も「たけなわ」

よく使われることばで、宴も「たけなわ」ということばがあります。
竹と縄?
言葉を調べる機会がありましたので、ここでお披露目いたします。

たとえば、
レモンエード→レモネード→ラムネ
のように言葉がしばしば短縮されるのと同じように、

酒に酔っている人に”ウタゲナカバ”と発音してもらうと、
呂律が回らず、”タケナワ”と聞こえるとのことで、
今が最高潮という意味の”タケナワ” は ”ウタゲナカバ”(宴半ば)が縮まったものだということだそうです。

みながまだ「ウタゲナカバ」と言えるうちは、まだ宴も「たけなわ」ではないのです。
みなが「タケナワ」になったときこそ 宴も「たけなわ」なのです。